建築材料から長寿命な建築を考える

菊田 貴恒 准教授
KIKUTA Takatune
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コンクリート+新材料=無限の可能性

建築物は多様な材料から構成されており、その材料の性能や性質が建築物の安全性や快適性、美観などに大きく影響を及ぼします。これら建築に使用する材料について考えるのが建築材料学という学問になります。一言で建築材料と言っても構造材料や仕上げ材料、機能性材料など非常に多岐にわたりますが、建築物の骨組みを作る、木材、鋼材、コンクリートなどはよく知られている建築材料ではないでしょうか。この中でもコンクリートは建築物や土木構造物などに広く使用されており、私たちの社会生活を支える重要な材料であると同時に非常に身近な建築材料と言えると思います。
ポルトランドセメントを用いた近代的なコンクリートが使われ出して約200年経ちますが、「コンクリートは簡単にひび割れが発生する」という材料の本質的な弱点は未だ持って解決されておらず、このコンクリートに発生するひび割れがコンクリートを用いた建築物の寿命を短くする要因の一つとされています。
菊田研究室ではコンクリートのひび割れの発生・進展メカニズムを明らかにすると共に、より長寿命なコンクリート建築物の実現を目指し、コンクリートに様々な新材料を複合化させ「ひび割れを制御する」研究を進めています。例えば、コンクリートに高張力の化学合成繊維を複合化させることで、しなやかに曲がるコンクリート、言い換えればより大きな地震エネルギーでも致命的なひび割れが発生しない長寿命なコンクリートを作り出すことも可能です。
コンクリートとはこう言うものだというこれまでの固定概念に囚われず、様々な材料との複合化を探求し、新しい「長寿命なコンクリート材料」の実現を学生の皆さんと共に進めていきたいと考えています。