人間を中心とした環境創造のための調査手法を提案

大石 洋之 講師
OOISHI Hiroshi
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建築環境における人々の行動特性や心理的評価を扱う環境心理・生理分野の研究を行っています。この研究分野では、環境を利用する人間側の視点が特徴で、アンケート調査や行動観察調査などの人を対象とした調査手法により研究を進めます。建築環境工学の観点から、人を取り巻く様々な環境要素を取りあげ、対象環境の特徴とその場所を利用する人々の属性による相互の関連について学びます。これまで、景観を対象とした視環境に関する研究として、アイマークレコーダを用いて景観画像における人の視線の位置から、人はどのように景観を観察し、それがどのような評価に結びつくのか、といった人の生理指標と心理的評価の関連について検討した研究をはじめとして、伝統住居と新興住居のモンタージュ写真を用いた農村景観と地域住民の価値観の関連を検討した研究などを行ってきました。その他には、人が利用する空間そのものの質を評価するために、貨物船の船員の利用する居室に関するアンケート調査や、鉄道駅利用者のアンケート調査などを行ってきました。また、東北工業大学に着任する前は、東京で鉄道系の建築設計事務所に勤務しており、その時には環境心理・生理分野の研究はほとんど行っていませんでしたが、駅空間を対象として温熱環境の現状評価のための実測調査や、温熱環境改善のための技術提案に関する業務を行っていました。その他にも、結露許容型の天井冷暖房システムの性能評価に関する研究なども行い、良好な建築空間を実現するための技術的な検討に多く携わってきました。大学では、これらの経験を融合させて、環境心理・生理分野で扱うような建築環境が目指すべき定性的・質的な達成目標を明らかにするような研究と併せて、良好な建築環境を実現するために具体的な技術検討のできる人材を育成することを目標に教育・研究活動を推進したいと思っています。