建築物は多様な材料から構成されており、その材料の性能や性質が建築物の安全性や快適性、美観などに大きく影響を及ぼします。一言で建築材料と言っても構造材料や仕上げ材料、機能性材料など非常に多岐にわたりますが、建築物の骨組みを作る、木材、鋼材、コンクリートなどはよく知られている建築材料ではないでしょうか。
本研究室ではコンクリートのひび割れの発生・進展メカニズムを明らかにすると共に、より長寿命なコンクリート建築物の実現を目指し、コンクリートに様々な新材料を複合化させ「ひび割れを制御する」研究を進めています。例えば、コンクリートに高張力の化学合成繊維を複合化させることで、しなやかに曲がるコンクリート、言い換えればより大きな地震エネルギーでも致命的なひび割れが発生しない長寿命なコンクリートを作り出すことも可能です。コンクリートとはこう言うものだというこれまでの固定概念に囚われず、様々な材料との複合化を探求し、新しい「長寿命なコンクリート材料」の実現を学生の皆さんと共に進めていきたいと考えています。