前号に続いて大学院を特集いたします。世界の建築教育の標準は5年かそれ以上となっています。主にデザイン教育を主とする海外ですらそうですので、日本のように建築学全般(意匠、構造、設備等)を学ぶことを考えると、建築を学ぶ上で4年という時間がどれだけ短いかということがわかるでしょう。現在、建築学部建築学科では、学部から大学院までの連続的な学びを明確にするために、大学院建築学研究科建築学専攻(現在は工学研究科建築学専攻)設置を目指して準備をしています。それにより、修士(工学)または修士(建築学)の学位取得が可能となり、より明確に建築学を修めたことを示すことができると考えています。また建築士法改正により大学院在学中に一級建築士合格が可能となりました。設計事務所(企業)の半数が、新卒採用時に特に一級建築士合格者を「優遇したい」と回答している(日経アーキテクチュア2022-9-8)との結果もあります。進学の主目的は、研究や設計のさらなる充実にありますが、このような時間として有効に活用することも可能です。+2年の時間を考えてみてはいかがでしょうか。