不破正仁准教授は海外研修制度を活用して5月より来年の2月までデンマーク・オーフスに行っています。不破先生より現地での活動報告が届きましたのでご紹介します。
—– Denmark’s daily #6 —–
9月のご報告です。
ここでは、ふたつの出来事について記します。
9月はヨーロッパでは新学年が始まる時期であり、ここオーフス建築大学でもいくつものオープンニングセレモニーが催されていました。なかでも9月初旬に行われたオープンキャンパスにあたるOPEN23は盛大で、普段のワークスペースが講演会場に様変わりしたのは圧巻でした。大学の建物は各階に大きな吹き抜け空間があり、そのスペースを講演会場とすることで、隣の会場の盛り上がりが伝わってくる仕掛けも見事だなと思いました。いくつかの興味深い講演を聴講したのち、ランチや講演会終了後のブレイクタイムでの外部空間の賑わいに紛れ込むことができたのは得難い体験でした。
9月の後半には、後期の講義開始前の一週間を利用し、各地の農山漁村を車で巡りました。移動期間7日間で約4,500kmを走破し、中日には大学に戻り、ランドスケープデザインに関する講演会を聴講することもできました。
旅の前半はコペンハーゲンからマルメに渡り、スウェーデンを北上し、ノルウェーのフィヨルドの街ベルゲンを目指しました。夜のフィヨルドの漆黒の闇を体験し、雨の多い街の雨の日の景色を写真に納めてきました。ここではフィヨルドの険しさとそこに広がる景観の美しさに圧倒されました。オスロの民族博物館や資料でみた景色の実物が目の前に現れた時には興奮しました。旅の後半は、オランダの湿地帯を抜け、ベルギーの麦畑・フランス・ルクセンブルクの牧草地帯に点在する小さな村々を抜け・制限速度のないドイツのアウトバーンの走行車線(追い越される車線)を安全に利用し、デンマークに戻りました。
頑丈でなさそうな囲いの先に戯れる牛や羊の群れにも驚きましたが、海や農地に林立する風力発電やソーラーパネルの存在も気になりました。
いずれも、この4,500kmの中での体験は、得難いものばかりで、感動の連続でした。
もちろん、ひとりでの運転・走破は難しく、日本からの助っ人があったことも旅の達成には欠かせませんでした。本当に感謝です。ここに記して謝意を表します。