海外研修員としてロサンゼルスに来てから、約10ヶ月が経ちました。日本ではみなさんお元気でしょうか?
カリフォルニアの冬は肌寒い程度で、毎日が晴天です。
9月に入って大学の学期が始まり、2025年の感謝祭、クリスマスと新年には街がさまざまなデコレーションで賑わい、日本のお正月とは一味違ってカラフルで華やかな街となりました。ビーチで楽しんでいる人も多く、夏とは違ったのどかさがあります。
新年は穏やかに過ぎていったのですが、1月初旬に大きな山火事が起きました。
ニュースでご覧になったかもしれませんが、雨がほとんど降らず湿度が10%に低下しため、小さい火事があっという間に大火事になりました。サンタアナ風という40m/s以上の季節風が山を吹き下ろし、最も大きいパリセーズ火災では90平方キロが被害を受けています。(仙台市の面積で言えば、宮城野区+若林区全体が火災の被害を受けた状態)
私も煙や火を見て、その地域に特有の災害の恐ろしさについて実感しました。日本でも酒井大火や糸魚川火災など季節的な大火の教訓はありますが、木造低層住宅が多いカリフォルニアのまちづくりについても建築団体での議論が始まっているようです。今も火災被災地は許可者以外は入れない状態が続き、FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)がUCLA大学と連携して災害復旧センターを運営し、NPOも食料配布や動物愛護などさまざまな活動をしています。https://recovery.lacounty.gov/
政権が変わってFEMAの活動も大きな制限を受けそうですが、連邦全体での支援の枠組みが決まっていることは重要だと感じます。
そんな大変な時期の直後でしたが、本学大学院修士課程の山田さん(錦織研)がロサンゼルスに遊びにきてくれました。火事の影響で訪問できない場所もありましたが、ルイス・カーンによるソーク研究所や、フランク・ゲーリーのディズニー音楽ホールなど、ロサンゼルスでないとできない場所を一緒に回りました。改めて回ることも、再発見があり楽しかったです!
アメリカの建築を身近に感じる学生が増えると良いなと思います。
アメリカは広いので(図参照)レンタカーでドライブして、走っても走っても二つ先の州にようやく届くような広大さを感じることができます。(カリフォルニア州の面積は日本国土の面積よりも広い)ゆったりとした暮らし方をしている人々を見るとまた考え方も変わってくるかもしれません。
私の滞在はあと約ひと月の残り期間となりました。ロサンゼルスだけでなく、アメリカ国内・メキシコ・ブラジル・チリ・アルゼンチン・イギリスなど様々な都市をめぐる建築フィールドトリップを一年かけてできたことは、長い時間がないとできないので、大変な成果だと思います。多くの場所で友人ができ、また訪れてみたいものです。(どこも遠いですが)大学や学校も多く見学させていただき、UCLA、SCIArc、ハーバードGSD、イエール大学、AAスクール、ブラジリア大学、サンパウロ大学、チリカトリカ大学など、短い訪問でもそれぞれの建築学部の特徴やキャンパスの特徴が感じられました。また、各国の建築家で日本好きな方に大変お世話になり、人とのつながりのありがたさをありがたく感じます。
飛行機移動で疲れて風邪をひき、途中で旅行嫌いになりそうになりましたが、3月中旬に帰国するまでロサンゼルスの街を回って帰りたいと思います。学生のみなさん、お互い元気で、春にお会いしましょう!
