建築学科の不破研究室では、今年度の夏に4つのプロジェクトを行いました。それぞれのプログラムについて、大学院博士後期課程の所属している黒羽氏によるレポートを紹介します。
<鹿児島WS>
活動日:8月4日〜7日
8月の上旬に鹿児島大学の小山研究室と合同WSを行いました。新型コロナ発生に伴い5年降りの開催となりました。初日と2日目は大隅半島にある廃校を活用した宿泊施設に滞在しました。3日目は小山研究室が関わっている古民家を見学し、民家の構造や意匠特性などを視察し、見学後は、ゲストハウスに移動して民家活用に関する意見交換を行いました。4日目は、小山研究室が関わっている公民館にて、施設の利活用に関する提案発表を聴講させていただきました。
<八郷茅葺WS>
活動日:9月4日〜6日
9月上旬に茨城県石岡市八郷地区にて東北工業大学・筑波大学、山形大学、東京家政学院大学の4大学合同のWSを行いました。当WSは3日間行われ、茅葺職人さんからご指導を受けながら作業を行い、最終日は茅葺民家の事例を視察に行きました。初日と2日目は同じ茅葺民家にて活動を行い、初日は、茅ごしらえ*1、茅束の切断*2、稲藁の掃除*3を行い、夕方からは研究発表を兼ねた懇親会を行いました。2日目は、茅ごしらえ、古茅の除去と選別*4、古茅の調整*5、挿し茅*6、縄の結び方の練習を行いました。3日目は、有機農業営んでいるY家住宅と葡萄園を営んでいるO家住宅を視察し、Y家住宅では民家の見学と家主の方が取り組んでおる活動の発表を聴講し、O家住宅では家主の方からご説明を受けながら民家を見学いたしました。
<各作業の詳細>
*1:茅を綺麗にし、茅を交互に重ねて束にする作業)
*2:茅束を機材で2つにカットし、使用できる状態にする作業
*3:茅を束ねる際に使用する稲藁の葉を取り除く作業
*4:古い茅を屋根から引き抜き、高さごとに選別する
*5:古茅の朽ちている部分を切除する
*6:古茅を抜いた場所に新たな茅を取り付ける
<白石大火研究会合同調査>
活動日:9月10日〜12日
9月の中頃に宮城県白石市にて東北工業大学・筑波大学・九州大学の3大学合同の大火研究会の調査を行いました。当調査は3日間行われ、初日と3日目は町並みの視察、2日目は実測調査を行いました。非常に暑い3日間でしたが、各自体調に気をつけながら完了することができました。初日は白石中央公民館にて史料の閲覧をした後、白石城の見学と小関家住宅(武家住宅)の見学を行い、見学後は白石の旧町人地を中心に耐火建築の調査を行いました。2日目は、当地域に現存する看板建築の実測調査を行い、丸吉さんと関屋薬局さんの2軒を調査しました。3日目は、羽州街道の宿駅であった上戸沢と移築された検断屋敷の視察を行い、白石に一度戻り、スマル屋敷の見学し、その後は重要伝統的建造物群保存地区である村田の町並みと建物の視察を行いました。
<ゼミ合宿>
活動日:9月13日〜15日
夏季休業の最後に、ゼミ合宿に行きました。今回のテーマは「東北一周」ということで、今年の3月にゼミ旅行で行った福島を除く5県を車で巡りました。初日は朝早く大学を出発し、岩手県奥州市では胆沢平野に広がる散居村の景色と同市の水沢にて武家屋敷と奥州街道沿いの街並みを視察しました。午後からは盛岡市に到着し、旧町人地で紺屋町と国指定重要文化財である岩手銀行赤レンガ館(旧盛岡銀行本店)を視察し、夕方には青森市に到着し駅前商店街を見て歩きました。2日目は青森県黒石市からスタートし、棚田の景色を見た後、町へと移動しこみせ通りの街並みを視察しました。こみせ通りを見た後は秋田県へと入りマダキの里として有名な阿仁町にあるマタギ資料館を見学、見学後は田沢湖を迂回し、その先の乳頭温泉で入浴しました。入浴後は山を下り、角館町を経由して宿泊地である大仙市へ到着いたしました。3日目は、大仙市をスタートし、秋田県で角館と並び重伝建である増田町の街並みを視察しました。そこでは実際に解放されている内蔵を見せていただき、家主の方の解説を聞きながら増田における蔵の特徴を学びました。増田町を出た後は、山形県へと入り最上町にある瀬見温泉と尾花沢市にある銀山温泉を見にいきました。銀山温泉の街並みを視察した後、大学へと戻りました。