第16 回東北の建築を描く展作品集を発行しました

― ごあいさつ ―

東北工業大学建築学部建築学科
学科長 有川 智

「東北の建築を描く展」は、東北にある建築、または建築のある風景、街並みなどに広く関心を持ってもらい、その楽しさや、面白さ、不思議さ、そして美しさを自由な発想で描いてもらおうという趣旨で始まり、今回で第16 回を迎えました。コロナ禍のなか、過去最多の510 点ものご応募をいただき、特に高校の部ではこれまで最多だった昨年を上回る283 点の作品が寄せられました。第1 回の138 点から応募数が約3.7 倍に増えたことになります。進学や就職後も続けて応募してくださる方もおり、多くの皆様に世代を超えて支持される絵画展として発展してきたことを大変ありがたく思っています。ご応募くださった方々に、心から感謝申し上げる次第です。
応募数とともに作品の質の向上も目覚しく、9 月17 日本学の製図室において審査委員長の平垣内清氏(宮城教育大学教授)、審査員の安住英之氏(日本画家)と柴田治氏(アトリエ光彩舎)、そして本学科の中村琢巳准教授(歴史意匠分野)によって厳正な審査が行なわれ、応募作品の中から入選193 点(このうち入賞44 点)が決定いたしました。入選された皆様には心よりお祝い申し上げます。仙台をはじめとした宮城県のみならず、ひろく東北地方全域における建物や風景が描かれた作品には、小学生から一般まで全世代を通して、建築を描く独自の視点、新たな技法を含む多様な表現手法がみられ、それぞれにその魅力を感じていただけるものと思います。
東北地域の建築、風景にこだわった絵画展として、有名な建築のみならず、何気ない建物や風景の中に新たな価値や課題を見出している作品を目の前にすると、建築に携わる者として率直に感心するとともに、大きな問いを投げかけられているようにも感じます。東北工業大学建築学部建築学科では、これからも東北の風土、歴史、文化、生活に根ざし、地域との連携、交流を深めながら教育研究に取り組み、地域の建築、街並み、そして生活に貢献していきたいと考えております。
ご応募いただいた皆様にあらためて感謝申し上げるとともに、今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。また来年もこの絵画展でお会いできることを楽しみにしております。

作品集はこちらからご覧いただけます(9.8MB)。

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